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ご挨拶
     
 
「みやび出版」 13年目の抱負

 戦後が還暦を迎えた年に、みやび出版は産声を上げました。そして今、戦後は古希を過ぎました。戦後の混乱・復興期から高度成長期まで、進歩を信じて邁進してきた青年・壮年期は遠くなり、日本の社会環境は現在、これまでに経験することのなかった新たな現実への対応を迫られる時代となりました。
 2011年3月11日に突如起こった東日本大震災は、日本社会に未曾有の深刻な打撃を与えました。6年を経た今も、津波に洗われた地域の復旧・復興は思うに任せず、原発事故の処理に至っては、数十年どころか気の遠くなるような年月を要する過酷な作業が見込まれます。震災・原発事故は経済効率主義への警鐘ととらえなければなりません。
 私たちは今、超高齢化社会のただ中にあって、以前には考えもしなかった豊富で便利な物に囲まれつつも、気持ちの満たされない不安定な成熟社会に身を置いています。21世紀に入って17年が経過、日本の政治経済は新しい時代への試行錯誤を繰り返しつつも未だ有効な国の制度設計を持ち得ていません。政権交代で期待された試みもあえなく挫折、考えもしなかった戦前日本への回帰の動きが、年を追うごとに現実のものとなってきています。
 教育基本法の改定に始まり、特定秘密保護法案に続く集団的自衛権の閣議決定、安保法案の強行採決、共謀罪処罰法案など、既成事実の積み重ねによる国家体制の強化が進み、戦後70年余り続いてきた民主主義の危機が露わになりつつあります。グローバル化する国際環境も切迫した課題が目白押しです。世界中で民族・宗教間対立が先鋭化、頻発するテロ、欧州でのEU離脱の動き、東アジア情勢の緊迫化、そして米国のトランプ現象……。些細なきっかけで世界を巻き込む戦争が起こらないとも限りません。
 このような社会・国際環境の中で、みやび出版が創業以来主張してきた、ゆとりある生活と意欲的な文化活動を両立できる社会を実現するためには、生活者個々による独立独歩の主体的研鑽がますます求められる時代となっています。
 13年目を迎えたみやび出版は、これまで培ってきた「myb」と「myb新装版」の刊行を軸に、積み重ねてきた単行本の更なる充実を通して、今日的成熟社会のもつれた糸を解きほぐし、皆さんとともに今日の「人間回復」の試みを追求して参ります。
 多事多難な「これからどうする?」 に対応すべく、また大きく変節する時代の波に乗り遅れることなく、小社もささやかながら良質の出版物に意を注ぐつもりです。
 いっそうのご支援・ご鞭撻をよろしくお願い申し上げます。
                                      2017年4月
                                      みやび出版   

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